最愛のパートナーと死別し、その後の人生を一人で生きている未亡人の方々は、きっと心の中に複雑ないくつもの感情を抱えていることでしょう。
深い悲しみや喪失感と共に、未亡人をひどく悩ませるのが、後ろめたい気持ち、罪悪感になります。
特にパートナーが亡くなる際に、残された時間がほとんどなく、手を尽くすことができなかったという方々は、とても悔いが残る形でお別れしてしまったのでしょう。
そんな未亡人の方々に、少しでもその後ろめたさを和らげ、これからの生涯の中で上手に付き合っていく方法をご紹介します。
まずは、それぞれが抱えている後ろめたい気持ち、罪悪感にはどのようなものがあるのでしょうか。
私自身の気持ちと照らし合わせて、同じように苦しんでいる方々と、少しでもこれからの人生を楽しめるよう考えてみました。
スポンサーリンク
目次
未亡人の後ろめたさや罪悪感はどんな時に感じるのか

1つ目:配偶者が亡くなったのに私だけ生きている
未亡人の意味とは、『夫が亡くなったというのに、あとを追わず未だ亡くならない人』というのが本来の意味で、古代中国の考えが元になっています。
現代日本ではそのような考えは全くありませんが、私たち未亡人は、少なからず後ろめたい気持ちがあるのかと思います。
生涯を共に生きるべきパートナーとしての誓いを立て、常にお互いを支え合ってきた最愛の人。
失った喪失感は、その人にしかわからないものがありますが、それ以上に申し訳ない気持ちが日々強まり、後ろめたさや罪悪感につながっていきます。
2つ目:日々の生活の中で楽しさや幸せを感じる時
いつもの日常を少しずつ取り戻し、時間が経つにつれ涙を流すことが減り、楽しさを感じることが増える人が多いはずです。
ただ、悲しみや喪失感は無くなってはおらず、心の奥底に閉まっているだけになります。
それでも、表面的には笑顔で日常を過ごしている自分に気付き、その度に後ろめたや罪悪感を感じてしまいます。
3つ目:新しいパートナーを探したいと思う時や再婚を考える時
未亡人になる前に、亡くなった配偶者と、もしもの事態が起きたケースについてきちんと話せた人であれば、心の整理が多少出来ているかもしれませんが、ほとんどの方々はきっとうやむやになっている方が多いのかもしれません。
私は夫を突然死で亡くしてしまったので、彼を想う気持ちは突然居場所を失い、いまだその行き場のない感情が私を悲しませます。
最近、私の母親に、「すぐとは言わないけれど、縁があっていい人がいたら再婚するべきだ。」という話を持ちかけられました。
これからの未来で、もしそのような時が来たら、私は亡くした夫に、後ろめたい気持ちや罪悪感を感じずにはいられないでしょう。
この感情とどう付き合っていけばいいの?いつかは無くなるものなの?
私と同じように日々心を痛めている方々
もう自分を責めることはやめましょう。
ほんの少しこれからの未来を明るくする為にも、どこかで折り合いをつけなければいけません。
後悔して後悔して、いくら亡くしてしまった伴侶に謝っても、何も事態は動きません。
悲しいけれど、亡き相手から反応が返ることは、この現実ではもうないのです。
そんなこと頭でわかっていても、どうしてもふと考えてしまうのは、私たちには心があり感情があるからです。理屈ではわかっていても、この苦しみがなくなることはありません。
その代わりに、少しでも上手く付き合う方法を考えていきましょう。
これからの人生、残された私たちの寿命が尽きるまで、亡くした人の分も一生懸命に生きるために。
それでは、後ろめたさや罪悪感と上手に付き合っていくための具体的な方法を3つに分けてご紹介します。
未亡人の後ろめたさや罪悪感と上手に付き合っていく方法 1つ目
自分と置き換えて考えてみる
もし逆の立場だったら・・・?
私が死んで、相手が生き残っていたら?
もし逆の立場だったら・・・?
私が死んで、相手が生き残っていたら?

もし自分が死んでしまったら、誰よりも愛した大切な伴侶のその後の一生を、後悔でいっぱいの日々にしてほしいですか?
きれい事だけでは片付けられないのが人間です。私はこのように考えた際、やはり自分が夫を幸せにしてあげたかった・・・悔しい、悲しいという気持ちが伴います。
しかし、それでも私は何も出来ることがないのならば、夫には色々な人の助けをもらい幸せになってほしい、笑っていてほしいと思うのです。
なぜなら、心から愛した夫は、いつも笑っていたから。楽しそうに会話をしていた彼を見るのが好きだったから。
あなたの亡くしたパートナーは、あなたのことをどれだけ愛していましたか?
あなたがこれ程までに嘆き悲しむ程に、心からあなたのことを愛していたのではないですか?
そんなあなたが、日々心を痛め、後ろめたい気持ちや罪悪感に苛まれるのを見るのは、その人からすると、どれほどの辛さなのでしょうか。
生涯を誓い合ったパートナー、きっと心は通じ合っています。
感じることは一緒なのです。
スポンサーリンク
未亡人の後ろめたさや罪悪感と上手に付き合っていく方法 2つ目
愛する伴侶を救えなかった、という後悔を2度としなくてもいいよう、その時に後悔したものを補える何かしらの行動に移す

後ろめたさや罪悪感をプラスのエネルギーににかえましょう。
私は夫を救えなかった分、もし同じように突然心臓が止まってしまった人に出くわしても、最大限の対策を突発的に行えるよう勉強を進めています。
赤十字救急法救急員といった資格があり、プロの指導員の方から講習を受け、知識や技術を身に付けることができます。
ずっと嘆いてばかりいては、現状は何も変わりません。
後ろめたい気持ちや罪悪感をエネルギーに、強く逞しく生きることを彼に誓っています。
未亡人の後ろめたさや罪悪感と上手に付き合っていく方法 3つ目
自分の中の消化できない感情を吐き出せられる場所を見つける

それが、親や兄弟などの身内であったり、友達であったり、、、人によって様々です。
もし、相談できるような人がいないという方は、死別を経験した方のサポートダイヤルがあったり、各地域の役所に設置されている母子相談室で打ち明けてみるのもいいかなと思います。
ただ1つ言いたいのは、話したいこと、話したくないことは人それぞれあり、全てを包み隠さず伝える必要は全くないということです。
私自身も、身内でただ1人だけ、悲しみや苦しみを一緒に共有できる人がいます。
心の奥底にしまっているドロドロした部分の罪悪感や後悔の感情は、言葉に出すことはできませんでしたが、それでも色々と話すことができて、精神的に落ち着くことが出来ました。
どれだけその人に救われ、今の私があるのか・・・感謝してもしきれません。
亡くなった人のことを話すと、記憶が蘇ってきて寂しさも募りますが、それ以上に生きていたというその存在を再認識することが出来ます。
そうすることで、亡くなったその伴侶を近くに感じたり、楽しかった記憶や幸せだった思い出が蘇ります。
悲しくなって何度も泣くことになっても、繰り返し亡くなった人を思い出すことで、私たちは少しずつ時間をかけてその事実を受け入れる準備をしているのだと感じています。
この繰り返しの”悲しんでは泣く”という行動は決して情けないものではないし、これからの未来に前進していくために必要な過程なのです。
そうして、少しずつ嘆き悲しむ回数は減っていき、心が安定を取り戻し、人生を強く逞しく歩んでいくことが出来るのだと思います。
最後に・・・
私自身、”彼を救えなかった”、という後ろめたさや罪悪感は、なくなることは一生ないのだと感じていますが、それでも、私と子供はこの世界で生きていかなければなりません。
命は儚いもので、終わってしまうその瞬間は本当にあっという間です。
その事実を目の当たりにした私だからこそ、命の尊さをきちんと子供に伝えようと思います。