自称霊能者と名乗る方に言われたのは、『亡くなった旦那さんはまだ成仏できていない。』という言葉でした。1周忌を過ぎ夫の気配を感じることが全くなくなった今、成仏しているんだろうと当たり前に思っていた私には、どう受け止めるべきか考えさせられる言葉になりました。
また、死後の世界を改めて想像し考える機会ともなった為、『成仏する』の言葉について、その意味や使い方をまとめてみました。
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目次
『成仏する』の本来の意味と使い方とは?

成仏の意味とは?
1 煩悩 (ぼんのう) を断ち、無上の悟りを開くこと。(仏語)
2 死んで、この世に未練を残さず仏となること。また、死ぬこと。
という二つの意味を持つとされますが、この言葉が生まれた本来の由来として、仏教の開祖釈迦が初めて、仏陀(ぶった)=悟りの最高の位「仏の悟り」を開いた人、すなわち「覚(さと)れる者」となったことが由来されています。
このことから、悟りをさまたげる煩悩を振り払い、苦みや悩みから解き放たれる意味で、仏陀(ぶった)=覚れるもの(仏)に成ること、すなわち成仏という言葉が生まれました。
また、成仏の使い方として、よく日常生活で使われる場合には、死んだ後にいくべきとされる死後の世界にいくという意味で用いられるため、死後に成り立つ言葉だと思われている場合が多いようです。
しかし、実際には、「成仏」という言葉が表す文字どおり〝仏に成る〟ことを指す為、一概にも死後に成り立つ言葉という訳ではありません。
仏のように世の中の真理に目覚め、心は何にも乱されず、『この現世でイキイキと命ある限り必死に生きること。』も成仏する意味につながります。
ちなみに、仏教の開祖 お釈迦様は、仏様のように”人々の苦しみを取り除こうとしたり、悩みを解決しようとする人を目指す”というものではなく、『私たちがいのちを授かっていることこそに意味があり、日々 “生” に感謝し、”今” をイキイキと生きる』ということが私たち全員の使命なのだと説いています。
同じような意味として、成仏得脱【じょうぶつとくだつ】という四字熟語もあります。
意味としては、①仏道修行の結果悟ることができて、煩悩 (ぼんのう) から脱すること。
②死んでこの世の苦しみから解放されること。
という二つの意味があります。
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成仏の宗派毎の捉え方の違いとは?死後の世界を信じている宗教とは?

成仏とは、仏教固有の概念ですが、宗派によって少し違いがあり、様々な考え方が存在しています。
まず浄土宗は、阿弥陀如来を本尊とする宗派で、念仏を唱えることで極楽浄土に至れるとしています。そのため、生きている間での修行による成仏に関しては否定しています。
同じように修行による成仏を否定している浄土真宗では、浄土宗と基本的な部分は一緒になります。
その中でも一つ違いがある点として、浄土宗では念仏を唱えるのに対して、浄土真宗では心に思いさえすれば成仏できると考えられています。
日蓮系の宗派では、生きたままでも成仏の境界に至るとしており、初期仏教でいう涅槃の境界に至るという概念と共通している部分があることから初期仏教に近い考え方があります。
ちなみに涅槃の境界とは、涅槃門(ねはんもん)という仏語の一つで、『煩悩を去って悟りの境界へ入る門戸』という意味があります。
他にも、キリスト教では、神を信じる者は天国に召されるという概念があり、イスラム教にも同様の概念があります。
これらのどの宗教にも共通しているのは、「死後の世界」を想定していることで、「死ねば終わり」ではないということを語っています。
私はもともと全くの霊感もないことから、見えないものは信じない、というスタンスで、霊の存在をまるっきり信じていませんでした。
しかし、夫を亡くしてからというもの、自分でも信じられないような不思議な出来事が幾度と起こり、夫は死んだ後も魂はこの世に存在しているんだと思うようになりました。
そんな矢先、夫の親族のお家へ遊びに行った際に聞いた話は、死んだ夫が未だ成仏せずにこの世で彷徨っているのだという、驚くようなものでした。
死別した夫が成仏できていない ある自称霊能者Aさんに聞いた話

丁度夫が亡くなって1年が過ぎようとしていたある日のことでした。
夫の親族の方と会う予定があり、その方のお家へお邪魔していた時のことです。
最初は普段の会話のような他愛もない話をしていましたが、亡くなった夫の話になった際、困ったような悲しい顔であることを教えてくれました。
それは、『亡くなった◯◯(夫)が未だに成仏出来ていないと知人の霊能者の方に言われた。』というお話でした。
その霊能者Aさんは、近所に住む元々の顔馴染みで、年配の女性なのだとか。その方の旦那様も既に亡くなっているのだそう。
その方が言うには、すでに亡くなっている自分の旦那が、私の夫を連れてきて、未だに成仏出来ていないから出来るように助けてあげてほしいと言いにきたそうです。
自分が成仏しなければならないと諭してはいるが、本人が踏み切れないのだというのです。
霊能者Aさんの旦那さんと夫は、夫の幼少期の頃によく遊びに連れ出してくれたこともあったそうで、お互いに信頼しあっていた仲だったそうです。
そんな話を夫の親族から聞いたのですが、どうにも信じていいのかわからずに、正直混乱してしまいました。
霊能者Aさんは、成仏させてあげるためにも、自分がお経をよみ供養することが出来ると言っているらしく、その費用は気持ちだけでいいと言ってくれているらしいのです。
夫の親族の方は、どう考えていいかわからないから、とりあえずすぐには返答せず時間をもらったと言っていました。
結局、1周忌まで毎月月命日を行ったことや、私たち遺族が心から彼を想いお祈りしていたことから、夫は大丈夫だと考えるようにし、お経をよんでいただく依頼はしませんでした。
そんな件があった数日後、タイムリーに全く別のルートで、ある別の霊能者の方に、まったく同じようなことを言われてしまった出来事が起こったのです。
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ある霊能者に言われた、亡くなった夫が成仏する為に私たちがすべきこととは?

夫が成仏出来ていないらしい話を聞いた丁度数日後、全く同じことを言う霊能者Bさんからアドバイスをもらう機会がありました。
私の姉には、幼少期から家が直ぐ側だった幼馴染がおり、私も小さい頃からよくその幼馴染と三人で遊ばせてもらっていました。
その幼馴染は現在セラピストのお仕事をしており、一緒のお仕事仲間に、霊感が強く霊視が出来る人を数名知っていました。その中で最も信頼できる方を一人紹介してくれ、私の事情をお話し、無料で霊視してくれるよう頼んでくれました。
霊視鑑定に必要ということで、夫の生前の頃の写真や個人情報をお伝えし、写真のみで霊視してもらえたのですが、やはりそこでも同じようなことを言われてしまったのです。
『亡くなった旦那様は、この世に心配事を多く残しすぎて今もなお成仏できずにこの世をふらふらと彷徨っている。しかしそれは、本人の意思。成仏するべき道はもう出来上がっており、本人もそれをわかっているにも関わらず、自らの意思でこの世にとどまっている。
彼を成仏させてあげるためには、残されたあなたを中心とした遺族が、彼に対し、もう自分たちは大丈夫だという姿を見せてあげることが絶対に必要。』
ちなみに、49日が過ぎれば亡くなった方のほとんどが成仏すると思われているが、そのまますんなり成仏できる方は少数だと聞きました。
特に突然の事故死や夫のような突然死などの急な病死の場合は、受け入れるのに相当の時間を必要とするらしく、旦那様が1周忌過ぎても成仏できていないということは多くある、とのことでした。
私自身この話自体をどう受け止めるべきがわからずにいます。
霊能者が絶対に知りえないような夫に関する情報を当てた訳でもない為、本当に霊視鑑定出来るのかどうかもやはり怪しんでしまいます・・・。
色々考えた結果、私の中での消化方法として、霊視して頂いた言葉はそのまま受け止め、アドバイス通りに夫に少しでも安心してもらうよう、これからの人生を明るく前向きに生きていこうと改めて思いました。
そしてもう一つ思ったことは、それ以上の霊視を頼むことはせず、あまりのめり込まないということです。
どこまで信じるべきかわからない話を100%信じてしまうのは、やはりリスクがあるように個人的に感じました。
本当に突然あの世に逝ってしまった夫は、大きな後悔や未練をたくさん感じているはずでが、その中のひとつに経済的な問題があると思います。
これから先、私が子供1人を十分に養い、自立した子育てが出来るよう、早い段階で社員として働けるように就活に励むつもりです。
同じように大切な人を亡くしてしまい、亡き人のその後が心配で心配でどうしようもない・・・という方はたくさんいらっしゃるかと思います。
それでも亡くしてしまったその人は二度とこの世に戻ることはなく、ただ自分の人生だけが続いていくのです。
その人生は、亡き人が生きたくても生きられなかった、何よりも尊い時間だからこそ、泣いてばかりいられない、その人の分も一生懸命生きなければならないのでしょう。
今回は改めてそんなことを感じさせられた機会になりました。